12月 272014
 

大学の授業で用いる教材として、アドルノの英語論文 “On Popular Music” を訳出しました。この論文はStudies in Philosophy and Social Science に1941年に発表された論文ですが、成立時期が『啓蒙の弁証法』の「文化産業」の章に近く、そこで論じられている主題の多くがここでも扱われています。しかもそれらの主題が特定の対象(「ポピュラー音楽」)に即してかなり具体的かつ詳細に論じられているので、『啓蒙の弁証法』の「文化産業」の章よりもアドルノの考えを理解しやすくなっています。さらに元々英語で発表されたためか、アドルノの文章としては異例なほど平明で、ストレートに書かれています。こうした点から学部生が文化産業論を学ぶには好適な文章です。(実はもうひとつアドルノが晩年に書いたRésumé über Kulturindustrie という文章もあるのですが未邦訳です。こちらもいずれ時間があれば訳出したいと考えています。)

周知の通り、この論文についてはすでに平凡社から翻訳が出ています。ただ残念ながら、そこでは非常に込み入った訳文になっており、原文の平明さが失われてしまっています。そこで今回、授業用に訳出する時間ができましたので、ここに公開する次第です。おそらく全国の大学には文化産業論やポピュラー音楽を講じる先生や、それについて学びたい学生がかなりいるのではないかと思い、ウェブ公開することにしました。ただし、著作権的に問題ありなのは明らかですので、著作権者から抗議があれば、公開は中止します。なお英語原文はこのサイトで全文公開されています。

ウェブ版ではアドルノが言及している音楽について、YouYube の動画へのリンクを埋め込んでいます。アドルノがこの論考を執筆したとき、どんな音楽が鳴っていたのかを垣間見れると思います。PDF版にはリンクはありません。
<追記>一部の楽曲へのリンク切れを修正しました。(2016. 01. 10)
<追記>訳文を一部手直ししました。(2016. 11. 14)
<追記>楽曲へのリンク切れを修復しました。(2018.11.13)

「ポピュラー音楽について」(ウェブ版、2016年11月14日一部修正)

「ポピュラー音楽について」(PDF版、2016年11月14日一部修正)

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