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2022年度 専門科目シラバス

表象文化構造論研究

今年度は一年を通して「動画」としてのアニメーション研究の方法論を議論していきます。
日本のアニメーション(アニメ)を研究するトーマス・ラマールは、2009年の著書『アニメマシーン』の序論において、現在のアニメ研究はアニメーションが「動画」からなることを看過していると指摘しました。物語の解釈や主題をめぐる哲学的思弁、日本社会論・日本文化論的な議論に傾倒するあまり、アニメーション表現のもっとも基本的な特徴とそれに由来する表現上の諸問題への原理的考察が抜け落ちているという指摘でした。
その指摘から10年以上の時間がたち、日本語環境においても、動画としてのアニメーション表現論の試みが盛んになされるようになってきています。今年度の授業では、動画としてのアニメーション表現の研究の方法論を探究する手がかりになる基本文献を読んでいきます。そのさい注意する必要があるのは、映像のデジタル化が進んだ現在においては、アニメーション表現は狭義のアニメーション作品にのみ見いだされるものではないということです。映像表現のデジタル化の進行によって、実写とアニメーションの境界は不分明なものとなっています。このことはアニメーション表現を実写表現から切り離して考えることができなくなったということを意味しています。したがって、この授業では、(1)アニメーションについての文献、(2)デジタル化以後の「実写」映画についての文献、(3)動画表現一般についての文献という3種類の文献を順番に読んでいきます。研究論文だけでなく、実作者のインタビューやエッセイ・対談なども扱う予定です。

表象文化構造論研究演習

前期に続いて、「動画」としてのアニメーション研究の方法論を議論していきます。
日本のアニメーション(アニメ)を研究するトーマス・ラマールは、2009年の著書『アニメマシーン』の序論において、現在のアニメ研究はアニメーションが「動画」からなることを看過していると指摘しました。物語の解釈や主題をめぐる哲学的思弁、日本社会論・日本文化論的な議論に傾倒するあまり、アニメーション表現のもっとも基本的な特徴とそれに由来する表現上の諸問題への原理的考察が抜け落ちているという指摘でした。
その指摘から10年以上の時間がたち、日本語環境においても、動画としてのアニメーション表現論の試みが盛んになされるようになってきています。今年度の授業では、動画としてのアニメーション表現の研究の方法論を探究する手がかりになる基本文献を読んでいきます。そのさい注意する必要があるのは、映像のデジタル化が進んだ現在においては、アニメーション表現は狭義のアニメーション作品にのみ見いだされるものではないということです。映像表現のデジタル化の進行によって、実写とアニメーションの境界は不分明なものとなっています。このことはアニメーション表現を実写表現から切り離して考えることができなくなったということを意味しています。したがって、この授業では、(1)アニメーションについての文献、(2)デジタル化以後の「実写」映画についての文献、(3)動画表現一般についての文献という3種類の文献を順番に読んでいきます。研究論文だけでなく、実作者のインタビューやエッセイ・対談なども扱う予定です。

表現文化論基礎演習(江村公先生とのオムニバス)

作品分析の基礎を学ぶ。特定の方法論や理論にもとづく分析の一歩手前にとどまり、ひとつの具体的な対象としての作品と向き合い、それを構成している表現の特徴や構造を具体的に把握し、考察するレッスンを行います。作品は私たちの前に、ひとつの触知可能なまとまりとして、たとえば書かれた言葉(小説、エッセイ)、描かれた線と記号(マンガ)、 俳優の身体と声(演劇)、静止した光と影(写真)、明滅する映像の連なり(映画)として与えられています。この授業では、そのような触知可能なまとまりとしての作品がどのように形作られており、どのような動き、出来事がそこに生起しているのかを明らかにするとともに、それを言葉によって記述するレッスンを行います。
また、文献調査、画像編集にもとづく簡潔なプレゼンテーションを作成し、発表するレッスンを行います。口頭発表における補助資料の位置づけ正しくを理解し、プレゼンテーション用ソフトウェアの欠点と利点を把握した上で、効果的な発表資料を作成する技術を学習します。
今年度の授業では、マンガ、小説、絵画、写真、映画、演劇、現代美術を扱います。それぞれのジャンルについて、指定された作品の分析を行う。学期末には作品分析の口頭発表を受講者全員にしてもらうことになります。

表象文化論

講義のねらいは、映像作品の考察のための基礎作りです。対象としては実写映画とアニメーション、および近年のデジタル映像を扱います。考察される作品は映画が中心になりますが、映画以外の動画表現の分析にも不可欠な映像リテラシーの習得に役立つはずです。今年度は特に映画における音の表現およびアニメーションの表現論に重点を置く予定です。
毎回、いくつかの作品から特定の場面を取り上げ、その場面の特徴やそこで用いられている技法を考察しながら、映画表現の多様な側面に光を当てていきます。またそれらの考察を通して、映画の分析に不可欠な基礎概念の導入も行います。
この講義では、みなさんに多くの作品に触れてもらい、映像作品を考察するための言葉を獲得してもらうことが目標です。したがって、受講者の積極的な参加が求められます。
この授業では事前に授業で取り上げる場面を配布するので、観賞したうえで出席すること。また授業時間内に Microsoft Forms を利用するので、PCやタブレット、スマートフォンを必ず持参すること。

表象文化論演習

この授業では映画における音(声、音楽、効果音、ノイズ)に注目し、映画表現において映像と音響が取り結ぶ多様な関係のありようと、それが観客の諸感覚(視覚と聴覚に限定されない)に及ぼす作用について、理論的なテクストの購読と作品の観賞を通して考察する。実写映画が中心になるが、アニメーションも取り上げる予定。まず前半では理論的な先行研究を購読し、具体的な場面を観賞することで、映画の音を考えるさいの基本的な観点と基礎概念を学ぶ。後半では受講者が、各自、みずから作品を選び、映画の音について考察する発表を行う。
音という切り口から映画表現を考察し、多様な表現の間の違いやそれぞれの特徴を正確に記述し、分析するスキルを身につけていきます。

文化理論

表現文化コースで学ぶ学生を主な対象に、文化の考察に不可欠な基本的視点と理論を概説します。表現文化コースにおける文化の研究は、文化的事象を歴史・社会・メディアの三つの視点から複合的に分析する点に方法論上の特徴がありますが、具体的に扱われる対象はきわめて多様です。したがって、ともすると個別的な主題の多様性のなかにコースの全体像が見失われがちになります。この講義では、「文化」についての基本的な考え方をいくつかの基本的な研究文献の紹介を通して確認し、文化を考える基本的視点を獲得することを目指します。
「文化」についての基本的な考え方をいくつかの基本的な著作の概説を通して確認し、文化を考える基本的視点を獲得することが目標です。

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