海老根 剛(Takeshi Ebine)

ポン・ジュノ or ホン・サンス? – ポン・ジュノ and ホン・サンス!
『ドライブ・マイ・カー』&『偶然と想像』

 ナンニ・モレッティの『親愛なる日記』にとても好きな場面がある。それは三部構成の第一部「ベスパに乗って」の一場面で、モレッティが交差点で信号待ちをしていると隣にオープンカーがやってきて停車する。この車とそれを運転している男を見たモレッティは、不意にベスパから降りて男に近づき、一方… 続きを読む »ポン・ジュノ or ホン・サンス? – ポン・ジュノ and ホン・サンス!
『ドライブ・マイ・カー』&『偶然と想像』

傾きゆく世界に立つ /『彼女はひとり』

地方都市に住んでいると新作映画についてタイミングよくTwitter でつぶやくのが難しい。ハリウッドや邦画のメジャーな作品を除いて新作映画の公開日は東京から数週間から数ヶ月遅れるのが普通なので、ようやく見た時点ではたいていTwitter での盛り上がりの時期を過ぎている。もちろん… 続きを読む »傾きゆく世界に立つ /『彼女はひとり』

ドイツと日本の総選挙の基礎データ比較(メモ)

今年の秋はドイツの連邦議会(Bundestag)と日本の衆議院で相次いで選挙があった。 ドイツでは誰も望んでいなかった大連立がようやく終わり、社会民主党(SPD)・緑の党(die Grünen)・自由民主党(FDP)の連立政権が成立しそうな流れ。日本では政権交替を望まない人々が投… 続きを読む »ドイツと日本の総選挙の基礎データ比較(メモ)

アメリカのミュージカル映画のスタイル(リック・アルトマン)

授業で使用するために日本語に訳した文章を公開します。今回翻訳したのは、Rick Altman: The American Film Musical. (Indiana University Press, 1987) の第4章 The Style of the American Film Musical にある “Audio Dissolve” と題された1節です。訳出した部分では、ミュージカル映画における音楽の機能的特徴、そして歌・音楽・ダンスの結びつきが明晰に論じられています。

メディア技術に媒介された文化におけるライヴ・パフォーマンス(フィリップ・オースランダー)

授業用教材として翻訳したフィリップ・オースランダーの文章を公開します。 Philip Auslander: Liveness. Performance in A Mediatized Culture (Second Edition, 2008) の第2章 “Live performance in a mediatized culture” の部分訳です。オースランダーの著作は複製技術メディアとライヴ的なものの関係を議論するさいの基本文献として、いまなお重要性を失っていないと思います。今回はオースランダーによるライヴ性(Liveness)概念の再検討の中核をなす部分を取り出して訳出しています。

自由の制限を制限すること:法規制レジームと自粛レジーム

 最近ドイツのニュースを読んだり見たりしていると、毎日のように、新型コロナウィルス対策としてなされる行動規制とその緩和を争点とする裁判とデモの報道がある。たとえば、最近話題になった事例として、ベルリンのシャルロッテンブルクのディスコが、ダンス禁止の州条例に異議を申し立て、ベルリン… 続きを読む »自由の制限を制限すること:法規制レジームと自粛レジーム

五輪開会式 – 真実のとき

2021年7月8日深夜、東京五輪が(ほぼ)無観客で開催されることに決まった。選手が気の毒だという意見もあるようだが、そもそも世界中で感染拡大が続いているときに世界最大のスポーツイベントを開催しようとすることが間違っている。この錯誤のためにどれだけ日本のコロナ対応が歪められ、(東京… 続きを読む »五輪開会式 – 真実のとき

『涙の塩』− ガレルの映画の「見やすさ」について

アンスティチュ・フランセが主催する第三回映画批評月間でフィリップ・ガレルの新作『涙の塩』を見る。 ガレルの映画は基本的に見やすい。とりわけ『ジェラシー』(2013年)以後の一連の作品はとてつもなく見やすい。それらの作品を見ると、映画が映画として成立するために必要なものは何かという… 続きを読む »『涙の塩』− ガレルの映画の「見やすさ」について

〈映画/批評月間 2021〉(ソフィー・ルトゥルヌール特集 @シネ・ヌーヴォ)で上映後トークをします

4月24日〜30日の日程でシネ・ヌーヴォで開催される映画/批評月間で『奥様は妊娠中』(ソフィー・ルトゥルヌール監督)の上映後にトークをします。今回3本の作品(『奥様は妊娠中』、『思い出の船乗り』『セックス・アンド・ザ・フェスティバル』)が上映されるルトゥルヌール監督の映画のユニークで挑発的な魅力についてお話する予定です。
4月25日(日)『奥様は妊娠中』(16:40〜)の上映後です。

2021年度 専門科目シラバス

表象文化構造論研究 ●科目の主題現在、さまざまな表現ジャンルを横断する形で「人形」という主題が注目を集めている。ポピュラーカルチャー、アニメーション、映画、現代美術、パフォーマンスから日本の伝統芸術である人形浄瑠璃まで、人形にかかわる多様な表現が生み出されているだけでなく、ジャン… 続きを読む »2021年度 専門科目シラバス

『YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN』のフレーム
戯曲を映画に翻訳するということ

先日、国立国際美術館で開催された「松村浩行 レトロスペクティブ」でようやく『YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN』を見ることができた。この作品については、ずっと昔から、僕が信頼する知人・友人に話を聞いていて、どこかで見る機会はないものかと思っていたので、唐突に… 続きを読む »『YESMAN / NOMAN / MORE YESMAN』のフレーム
戯曲を映画に翻訳するということ