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海老根 剛(Takeshi Ebine)

ディズニー・フォーマリズム(クリス・パラント)

授業で使用する教材として日本語に訳した文章を公開します。今回訳出したのは、クリス・パラント著『ディズニーを脱神話化する』の第3章「ディズニー・フォーマリズム」です。『白雪姫』、『ピノキオ』、『ダンボ』、『バンビ』の4作品で確立されたディズニー・アニメーションのスタイル(ハイパーリアリズム)の特徴が、「ディズニー・フォーマリズム」という概念のもと、具体的に論じられています。

朝日新聞(ウェブ版)にインタビューが掲載されました

先日、記者の方にしていただいたインタビューが朝日新聞ウェブ版に掲載されました。紙面のほうでも「国宝」関連の特集記事で私の発言が引用されているようです。 ウェブ版でのインタビューでは、拙著で論じた「無知な観客」という存在について、いま新たに人形浄瑠璃や歌舞伎に関心を抱き劇場を訪ねる… Read More »朝日新聞(ウェブ版)にインタビューが掲載されました

拙著が第35回吉田秀和賞を受賞しました!

このたび拙著『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』(和泉書院)が、第35回吉田秀和賞を受賞しました! 一見すると人形浄瑠璃ファン限定の書き物にも見えかねない本書ですが、その問いの射程を正確に汲み取ってくださり、「芸術評論」として評価していただいたことに感激しています。

松村浩行監督特集上映(京大西部講堂)のドキュメントが完成しました!

昨年(2024年)12月22日に京都大学・西部講堂で開催された松村浩行監督特集「量への抵抗」(主催:宇宙映画上映会)のドキュメントが完成しました。当日は松村監督作品の上映と監督との対談が行われました。今回発行されたドキュメントでは、当日の対談の採録に加えて、監督のエッセイやゲスト… Read More »松村浩行監督特集上映(京大西部講堂)のドキュメントが完成しました!

『表象19』が刊行されました

今年度、ひさしぶりに編集委員として発行に携わることになった表象文化論学会の学会誌『表象』第19号が発売になりました。本号の二つの特集はアンゼルム・キーファーと吉増剛造ということで、イメージと言葉の「芸術」に真正面から取り組んでいます。本号のもうひとつの目玉は9本の投稿論文でしょう… Read More »『表象19』が刊行されました

2025年度 専門科目シラバス

表象文化構造論研究 今年度は実写映画とアニメーションの研究における特定のトピックについて、研究文献の購読と作品の検討を行う。具体的には、現在の映像めぐる文化環境を概観するテクストを読んだ後に、(1)実写映画と都市空間との結びつき、(2)アニメーションにおける「動き」の研究、(3)… Read More »2025年度 専門科目シラバス

『ナミビアの砂漠』のフレーム

いくつか書いておきたいことがあったのに、諸々の雑事にかかずらっているうちに、あっという間に年度末になってしまった。すでに完全に時機を逸しているとはいえ、書かないままにしておくのも気持ちが悪いし、すぐに古びる作品でもないと思うので『ナミビアの砂漠』についてメモしておきたい。 私が最… Read More »『ナミビアの砂漠』のフレーム

『KYロック!』の前田多美監督とトークしました

事後報告になってしまいましたが、新年早々1月4日に出町座で前田多美監督とお話ししました。『KYロック!』は、前作同様、広島の街を舞台にしたミュージシャンの物語ですが、加藤雅也さんや大塚寧々さんといった経験豊富なプロの俳優陣を迎え、前作とは異なる新たなチャレンジを行っています。前田監督が実践する自主映画の戦い方はもっと注目されていいと思います。

2024年版『蛇の道』雑感
黒沢作品の現在についてのメモ

先日の出町座でのトークでも少し話したけれど、黒沢清監督の近年の作品は、あからさまな「反復」の印のもとにある。蒼井優に始まり(『贖罪』第一話、2011年)蒼井優で終った(『スパイの妻』、2020年)10年間の黒沢作品が、一見、じつに多彩で自己反復を拒否するかにみえながら、ときに抑え… Read More »2024年版『蛇の道』雑感
黒沢作品の現在についてのメモ

『CURE』から『Chime』&『Cloud クラウド』まで − 出町座でトークします

黒沢清監督作品(『CURE』、『Chime』、『Cloud クラウド』)が連続上映されるのに合わせて、出町座でトークを行うことになりました。まだ準備をしているところなのでどうなるかはわかりませんが、『モダンラブ・東京』とともに顕在化したようにみえる新たなサイクルの行方を注視すると同時に、一見、多彩に展開したようにみえる2010年代の黒沢作品についても再考する機会になりそうです。

論集『「群集」を再訪する — ただしパトスなしに』が刊行されました

2024年秋に日本独文学会で開催されたシンポジウムにもとづく論集がオンライン刊行されました。同シンポジウムでは、2000年代以降に人文学諸分野で生じた群集(Masse)という主題の再浮上と、それに伴う19世紀末以来の群集をめぐる思考の枠組みの捉え直しに注目し、集団の行動 (ふるまい)に関する新たな知見も視野に収めつつ、今日的な視点から両大戦間のドイツ語圏の文学にみられる群集表象を再検討することを試みました。本論集はそこでの発表をベースにしつつも、全面的に改稿された論考から構成されています。具体的には、アルフレート・デープリン、ヘルマン・ブロッホ、エルンスト・ユンガー、フロイト、マルティン・ケッセル、クラカウアーといった作家のテクストに現れる群集の表象と群集をめぐる思考が論じられます。