コンテンツへスキップ

News

『KYロック!』の前田多美監督とトークしました

事後報告になってしまいましたが、新年早々1月4日に出町座で前田多美監督とお話ししました。『KYロック!』は、前作同様、広島の街を舞台にしたミュージシャンの物語ですが、加藤雅也さんや大塚寧々さんといった経験豊富なプロの俳優陣を迎え、前作とは異なる新たなチャレンジを行っています。前田監督が実践する自主映画の戦い方はもっと注目されていいと思います。

『CURE』から『Chime』&『Cloud クラウド』まで − 出町座でトークします

黒沢清監督作品(『CURE』、『Chime』、『Cloud クラウド』)が連続上映されるのに合わせて、出町座でトークを行うことになりました。まだ準備をしているところなのでどうなるかはわかりませんが、『モダンラブ・東京』とともに顕在化したようにみえる新たなサイクルの行方を注視すると同時に、一見、多彩に展開したようにみえる2010年代の黒沢作品についても再考する機会になりそうです。

論集『「群集」を再訪する — ただしパトスなしに』が刊行されました

2024年秋に日本独文学会で開催されたシンポジウムにもとづく論集がオンライン刊行されました。同シンポジウムでは、2000年代以降に人文学諸分野で生じた群集(Masse)という主題の再浮上と、それに伴う19世紀末以来の群集をめぐる思考の枠組みの捉え直しに注目し、集団の行動 (ふるまい)に関する新たな知見も視野に収めつつ、今日的な視点から両大戦間のドイツ語圏の文学にみられる群集表象を再検討することを試みました。本論集はそこでの発表をベースにしつつも、全面的に改稿された論考から構成されています。具体的には、アルフレート・デープリン、ヘルマン・ブロッホ、エルンスト・ユンガー、フロイト、マルティン・ケッセル、クラカウアーといった作家のテクストに現れる群集の表象と群集をめぐる思考が論じられます。

【刊行】『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』

このたび和泉書院から書籍を刊行しました。大正末期から昭和十年代にいたる人形浄瑠璃の歩みを観客史の観点から論じた著作です。タイトルが示す通り、演者や興行主ではなく、劇場で舞台を楽しんでいた観客たちの経験に注目して、人形浄瑠璃の「近代」の始まりを描き出しています。古典芸能を愛する人だけでなく、古典芸能なるものに違和感(胡散臭さ)を感じている人にとっても面白く読める本になっていると思います。内容を簡単に紹介します。

隠れ家としての書物の「その後の生」
書評『一冊の、ささやかな、本』

表象文化論学会の学会誌『表象』18号に書評を執筆しました。田邊恵子さんの著書『一冊の、ささやかな、本 ヴァルター・ベンヤミン『一九〇〇年ごろのベルリンの幼年時代』研究』です。本書はめでたく第15回表象文化論学会賞(奨励賞)を受賞しました。

シンポジウム「「群集」を再訪する ーただしパトスなしに」で発表します

日本独文学会秋季研究発表会でシンポジウム「シンポジウム「「群集」を再訪する——ただしパトスなしに / 両⼤戦間期ドイツ語圏の⽂学における群集表象の再検討」で研究発表を行います。
このシンポジウムでは、2000 年代以降に⼈⽂学諸分野で⽣じた群集(Masse)とい う主題の再浮上と、それに伴う 19 世紀末以来の群集をめぐる思考の枠組みの再検討、および集団の⾏動に関する新たな知⾒の形成を念頭において、両⼤戦間のドイツ語圏の⽂学にみられる群集表象を読み直すことを試みます。

『青山真治クロニクルズ』(リトルモア刊)に文章を寄せています

昨年3月に逝去した青山真治監督の人生と仕事を、監督本人と監督の人生と関わりのあった人々の言葉で再構成した書籍が出版されました。まだ全部読み通したわけではないですが、この本、本当にすごいです。映画本の傑作だと思います。この本のページをめくりながら様々な人々の言葉に触れていると、いつしか「青山真治」という固有名はひとりの実在した人間の身体に帰属することをやめ、多くの人々の思考と行動が形作るひとつの動的な布置、ひとつの星座であるかのように思えてきます。そしてこの星座は大きな星をひとつ失ったあとにも、監督の作品を見て、その言葉を読み続ける人がいるかぎり、また監督と作品に関わった人々のあいだの繋がりが続いていくかぎり、これからも形を変えながら存在し続けるのでしょう。

シンポジウム「ダンスと人形」で発表します

2023年3月18日に名古屋芸術文化センターで開催されるダンス・スコーレ特別講座・公開シンポジウム「ダンスと人形」で発表を行います。第二次世界大戦以前の歴史的アヴァンギャルドにおける「動き」の表現 を、「人形」あるいは「人形的なもの」との関係で考察することがシンポジウムの全体テーマであるようです。私は人形浄瑠璃の動きの表現と歴史的アヴァンギャルドにおける人形的なものへの関心との接点とすれ違いについて報告する予定です。

REPRE 46 に報告を書きました

2022年7月2日・3日に東京都立大学で開催された表象文化論学会第16回大会の大会報告を執筆しました。私が担当したのは、2日目の午前に開催された「開催校企画ワークショップ 映画理論の現在」です。当日は久しぶりの対面開催ということもあり、充実した登壇者の報告とディスカッションで会場は熱気に包まれました。

「青山真治監督 北九州サーガ連続上映」@出町座でトークします

8月4日までの予定で京都・出町座で開催中の青山真治監督<北九州サーガ>特集が開催されています。今回新たにデジタル化された『Helpless』(1996年)、『EUREKA』(2000年)、『サッド ヴァケイション』(2007年)が連続上映されます。私は7月31日(日曜日)の『サッド ヴァケイション』の上映後にトークさせていただきます。

『MADE IN YAMATO』のパンフレットに文章を寄せました

5月28日より順次全国で公開されるオムニバス映画『MADE IN YAMATO』のパンフレットに短い文章を寄稿しました。竹内里紗監督の「まき絵の冒険」という作品について書いています。ふたりの女性に捧げられた素晴らしい作品です。このオムニバス映画については、どうも大和市を舞台にしているという企画性が強調されすぎているような気がするので、ごくシンプルに映画として魅力的な作品が結集していることを強調したいと思います。サイトスペシフィックな企画性だけで見られてしまうのでは、あまりにももったいない作品群です。ぜひご覧ください。