黒沢清監督作品(『CURE』、『Chime』、『Cloud クラウド』)が連続上映されるのに合わせて、出町座でトークを行うことになりました。
「黒沢清監督『CURE』から『Chime』&『Cloud クラウド』まで」
黒沢清監督の作品や発言を熱心にフォローして熱く語る人たち(「黒沢番」)はたくさんいるので、私が何か言う必要はないと思っていたのですが、先日、以下のポストをしたところ、思いのほか反響がありました。
最近の黒沢作品、正確には『モダンラブ・東京』以後の4作品を見て感じたことをごく直観的に言葉にしたポストでしたが、最近の黒沢監督のインタビューや批評でも、こうした指摘はまったくといっていいほどなされていなかったようです。なので、上記のポストに反応した人がたくさんいたのだろうと想像します。
黒沢作品が「空っぽになってきた」というのは、もちろん、「つまらなくなってきた」と言っているのではありません。私はむしろ黒沢監督の作品がふたたび面白くなってきたと感じています。今回のトークでは『CURE』をとりあえずの出発点として、最新作にいたる黒沢作品の展開を私なりの視点から振り返ってみたいと思います。まだ準備をしているところなのでどうなるかはわかりませんが、『モダンラブ・東京』とともに顕在化したようにみえる新たなサイクルの行方を注視すると同時に、一見、実に多彩に展開したようにみえる2010年代の黒沢作品についても再考する機会になりそうです。
出町座で『CURE』あるいは『Chime』を見た方は入場無料です。ぜひご来場ください。