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『MADE IN YAMATO』のパンフレットに文章を寄せました

5月28日より順次全国で公開されるオムニバス映画『MADE IN YAMATO』のパンフレットに短い文章を寄稿しました。竹内里紗監督の「まき絵の冒険」という作品について書いています。ふたりの女性をメインの登場人物とする素晴らしい作品です。このオムニバス映画については、どうも大和市を舞台にしているという企画性を強調した宣伝がなされていますが(そしてそれはそれでももちろん面白い試みではあるのですが)、なによりも映画として魅力的な一級の作品が結集していることを強調したいと思います。サイトスペシフィックな企画性だけで見られてしまうのではあまりにもったいない作品が集められています。

個人的には、冨永昌敬監督が久しぶりに短編映画の名手ぶりを発揮していて、『ヴィクーニャ』や『亀虫』シリーズに興奮した観客としては嬉しい限りですし、清原惟監督の映画に登場する女性ライダーのカッコよさ、異なる速度を交差させる構成にはしびれました。ドキュメンタリーのように始まりフィクションに滑り込んでいく山本英監督作品、いまやほとんど円熟した実験性すら感じさせる宮崎監督の作品もとても面白いです。日本には優れた若手監督がたくさんいるのに彼らに活躍の場を提供できていないという日本の映画産業の現実を目の当たりにするオムニバスでもあります。せひご覧ください。

パンフへの寄稿は字数制限がかなり厳しく、相当に刈り込んだ文章になってしまったので、このサイトの Wortzfetzen のコーナーに増補拡大版の文章(If One Thing Matters, Everything Matters.)を書きました。ご一読いただけると嬉しいです。ただ、やや詳しく作品の内容に触れていますので、観賞後に読んでもらったほうがよいかもしれません。

宮崎監督と竹内監督の読みごたえのあるインタビューが NEOL に掲載されています。こちらも是非。