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2014年度 専門科目シラバス

表現文化学研究IV

●科目の主題
今年度は、 一年間を通してナラトロジー(物語分析)の基本文献の講読を行う。物語は小説のような文学作品だけでなく、マンガ、ゲーム、映画、テレビドラマなどの視覚的表現においても重要な役割を果たしている。また、物語は人間がみずからの世界経験を理解する基本的方法のひとつであるが、近年のテクノロジーの発展は新しい物語手法の探究を刺激している。この授業では、ナラトロジー研究の第一人者であるとともに、近年は研究対象を文学作品から映像作品まで拡張している Mieke Bal による入門書 Narratology. Introduction to the Theory of Narrative を講読する。
物語の分析に関心を持つ幅広い専修の院生の受講を歓迎する。

●到達目標
ナラトロジーの基礎概念と方法論を学び、各自の研究に活かしていく。

●授業内容・授業計画
テキストの講読を行う。適宜、具体的な作品を参照することもある。

●参考文献・教材
Mieke Bal: Narratology. Introduction to the Theory of Narrative. Thirrd Edition. University of Troronto Press, 2009.

表現文化学研究演習 4

●科目の主題
前期に続き、ナラトロジー(物語分析)の基本文献の講読を行う。物語は小説のような文学作品だけでなく、マンガ、ゲーム、映画、テレビドラマなどの視覚的表現においても重要な役割を果たしている。また、物語は人間がみずか らの世界経験を理解する基本的方法のひとつであるが、近年のテクノロジーの発展は新しい物語手法の探究を刺激している。この授業では、ナラトロジー研究の第一人者であるとともに、近年はその対象を文学作品から映像作品まで拡張している Mieke Bal による入門書 Narratology. Introduction to the Theory of Narrative を講読する。物語の分析に関心を持つ幅広い専修の院生の受講を歓迎する。

●到達目標
ナラトロジーの基礎概念と方法論を学び、各自の研究に活かしていく。

●授業内容・授業計画
テキストの講読を行う。適宜、具体的な作品を参照することもある。

●参考文献・教材
Mieke Bal: Narratology. Introduction to the Theory of Narrative. Thirrd Edition. University of Troronto Press, 2009.

表現・表象文化論基礎演習(a、b)

●科目の主題
作品分析の基礎を学ぶ。最初に特定の方法論や理論を学んだうえでそれを作品に適用するのではなく、 そのような方法論・理論にもとづく分析の一歩手前にとどまり、具体的な対象としてある作品と向き合い、それを構成している表現の特徴や構造に即して考察するレッスンを行う。作品は私たちの前に、ひとつの物質的なまとまりとして、たとえば書かれた言葉(小説)、描かれた線と記号(マンガ)、化学的・電子的に定着された光学的な像(写真)、俳優の身体と声(演劇)、明滅する映像の連なり(映画)として与えられている。この授業では、そのような物質的まとまりとしての作品がどのように形作られており、どのような動き、出来事がそこに生起しているのかを明らかにし、それを言葉によって記述するレッスンを行う。また、文献調査、画像編集にもとづく簡潔なプレゼンテーションを作成し、発表を行うレッスンを実施する。

●到達目標
作品から感じたことを手がかりにして作品表現について考察し論理的な文章にまとめる基礎的スキルの習得をめざ す。

●授業内容・授業計画
小説、エッセイ、写真、マンガ、演劇、映画について、それぞれの表現形式の基本的特徴を学び、作品分析を執筆する。また学期末には各自、 選んだテーマで発表を行う。

文化理論

●科目の主題
表現文化コースで学ぶ学生を対象に、文化の考察に不可欠な基本的視点と理論を概説します。表現文化コース は本質的に学際的であり、そこで扱われる対象も多様です。したがって、個別的な主題の多様性のなかにコースの全体像が見失われてしまいがちです。この講義では、表現文化コースが前提する「文化」についての基本的な考え方をいくつかの観点から解説します。

●到達目標
文化の概念の歴史的変容を確認し、文化を考える基本的視点を獲得する。

●授業内容・授業計画
今回の講義では、まず文化という次元の人類学的起源を確認したあと、文化概念の歴史を概観します。その後、近代社会と後期近代とも呼ばれる現代社会における文化のありようを、それを分析対象とする代表的理論とともに解説します。さらに授業の最後では、創作に関わる諸理論を参照して、創造行為の意味合いが 19 世紀から現在までどのように変化してきたのかを概観する予定です。

比較表現論演習

●科目の主題
この授業では、毎回、一本の映画作品から特定の場面を選び出し、その場面がどのような仕方で構成されてい るのかを具体的に考察します。授業は映画作品の上映、指定された場面の考察、および理論的文献の講読から構成されます。受講者には、関連する二次文献も参考にしながら、いくつかの基礎概念を用いて映画作品の一場面を詳細に考察してもらいます。

●到達目標
映像、音響、ショット、モンタージュ、演出などの観点から、多様な映画作品を柔軟に分析する方法を学ぶこと。映像と音響の具体的分析に基づいて映画作品を考察する基礎的なスキルを身につけること。

●授業内容・授業計画
日本映画/外国映画、実写映画/アニメーション映画の区別なく、多様な作品を取り上げる予定です。映画上映の際には、作品全体を上映します。したがって、作品の長さによっては、授業時間を若干オーバーすることがあります。その点を承知の上で受講してください。

表現文化講読II

●科目の主題
映画理論の古典的著作であるベラ・バラージュの『視覚的人間 映画のドラマツルギー』を講読します。この書物でバラージュは、19世紀末に誕生し、20世紀に開花した新たな芸術表現としての映画の独自性と可能性を考察しています。バラージュはサイレント映画が芸術表現にもたらした革新を指摘するとともに、様々なトピックについて、今日の私たちにとっても示唆に富む考察を行っています。映画理論の古典を出発点にして、 今日の私たちの映像体験について考えてみたいと思います。

●到達目標
『視覚的人間』を丁寧に読み解くとともに、代表的なサイレント映画作品の鑑賞を通して、バラージュの考察を具体的に理解することを目指します。また、バラージュの考察の現代的意義についても議論します。

●参考文献・教材
ベラ・バラージュ著 『視覚的人間 映画のドラマツルギー』(岩波文庫 青 557-1)を教科書として用いる。 希望者にはドイツ語原文(“Der sichtbare Mensch”)も配布する。

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