「天下」を降りた男
『黒牢城』の反-政治
目下、黒沢清監督は新たな黄金期の真只中にいる。そう感じているのは私だけではないだろう。この黄金期は『モダンラブ・東京』の第5話から始まった。『スパイの妻』も含めて2010年代の作品を思い返してみると、初見では面白いのに、見直してみると意外なほど退屈する作品が多かった(例外は『岸辺の旅』と『旅のおわり世界のはじまり』)。それに対して「彼を信じていた十三日間」以… Read More »「天下」を降りた男
『黒牢城』の反-政治
目下、黒沢清監督は新たな黄金期の真只中にいる。そう感じているのは私だけではないだろう。この黄金期は『モダンラブ・東京』の第5話から始まった。『スパイの妻』も含めて2010年代の作品を思い返してみると、初見では面白いのに、見直してみると意外なほど退屈する作品が多かった(例外は『岸辺の旅』と『旅のおわり世界のはじまり』)。それに対して「彼を信じていた十三日間」以… Read More »「天下」を降りた男
『黒牢城』の反-政治
今年の秋はドイツの連邦議会(Bundestag)と日本の衆議院で相次いで選挙があった。 ドイツでは誰も望んでいなかった大連立がようやく終わり、社会民主党(SPD)・緑の党(die Grünen)・自由民主党(FDP)の連立政権が成立しそうな流れ。日本では政権交替を望まない人々が投票者の多数を占めることが明瞭になり、現行の選挙制度が続く限り、少なくとも今後10… Read More »ドイツと日本の総選挙の基礎データ比較(メモ)
最近ドイツのニュースを読んだり見たりしていると、毎日のように、新型コロナウィルス対策としてなされる行動規制とその緩和を争点とする裁判とデモの報道がある。たとえば、最近話題になった事例として、ベルリンのシャルロッテンブルクのディスコが、ダンス禁止の州条例に異議を申し立て、ベルリンの行政裁判所が原告の訴えを認めた裁判がある。報道によれば、裁判所の判決は以下の通り… Read More »自由の制限を制限すること:法規制レジームと自粛レジーム
ヘルミニア・ツーア・ミューレン(Hermynia Zur Mühlen)の自伝的エッセイ “Ende und Anfang. Ein Lebensbuch” は、1928年11月から「フランクフルト新聞」に連載され、翌年フィッシャー社から書物として出版された。最近、この本を読んでいて、次のような一節に出会ったのでメモしておく。 Von… Read More »美意識と不寛容
このたび『都市文化研究』第17号に標題の論文が掲載されました。これは大阪市立大学文学部創立60周年記念シンポジウム「市大文学部と〈都市文化研究〉再考」で行った発表をベースにした論考です。大阪市立大学文学研究科(文学部)における「都市文化研究」への重点化の歩みをグローバルに進行する高等教育の構造変化と人文学の危機という文脈の中で考察しています。「エクセレンスの… Read More »エクセレンスの大学、人文学、都市
このたびヨアヒム・ラートカウ著『ドイツ反原発運動小史 原子力産業・核エネルギー・公共性』がみすず書房から翻訳出版されました。『自然と権力』に続き、今回も私と森田直子さんとの共訳です。本書は昨年秋に『みすず』に掲載され話題になった論考「ドイツ反原発運動小史」を含む4つ論考とオリジナルのインタビューから構成されています。
『この世の外へ クラブ進駐軍』(阪本順治監督)にはある戦いが描かれている。しかし、この作品のなかで実際にそれが描写されるのは、最後の十数分間のことに過ぎない。ではそれはいかなる戦いであったのか。nobody #11(2004年)に掲載。
この論考ではフィルムを織り上げる移動と回帰の運動の軌跡を辿りながら、アモス・ギタイのフィルムの力学を考察しています。初出は『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン』No.27(勁草書房、1999年)です。