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Germany

エクセレンスの大学、人文学、都市

このたび『都市文化研究』第17号に標題の論文が掲載されました。これは大阪市立大学文学部創立60周年記念シンポジウム「市大文学部と〈都市文化研究〉再考」で行った発表をベースにした論考です。大阪市立大学文学研究科(文学部)における「都市文化研究」への重点化の歩みをグローバルに進行する高等教育の構造変化と人文学の危機という文脈の中で考察しています。「エクセレンスの大学」(ビル・レディングズ)、日本とドイツにおけるエクセレンスの追求の政策的展開、人文学の危機と「リスクをはらんだ思考」(ハンス・ウルリヒ・グンブレヒト)といった論点を扱っていますので、国内外の大学改革をめぐる状況と人文知の可能性にご関心をお持ちの方にお読みいただけると光栄です。(追記 2018年6月18日 リンク先を機関リポジトリに変更しました。)

<新訳>ポピュラー音楽について 
Ⅰ. 音楽の素材

授業用教材としてアドルノの英語論文 “On Popular Music” を訳出しました。この論文は Studies in Philosophy and Social Science 誌に1941年に発表された論文ですが、成立時期が『啓蒙の弁証法』の「文化産業」の章に近く、そこで論じられている主題の多くがここでも扱われています。しかもそれらの主題が特定の対象(「ポピュラー音楽」)に即してかなり具体的かつ詳細に論じられているので、『啓蒙の弁証法』の「文化産業」の章よりもアドルノの考えの骨子を理解しやすくなっています。加えて、元々英語で発表されたためか、アドルノの文章としては異例なほど平明で、ストレートに書かれています。同時代のポピュラー音楽への言及も多く、アドルノのポピュラー音楽観を理解するには好適な文章でしょう。このエントリーは3部構成の第1部「音楽の素材」になります。

Erfindung von „Girl-Kultur“
Eine vergleichende Betrachtung des Amerikanisierungsdiskurses der Zwischenkriegszeit in Deutschland und Japan

In diesem Aufsatz geht es um eine komplexe, kulturspezifische Dynamik der “Amerikanisierung”. Im Aufsatz soll eine vergleichende Betrachtung der Amerikanisierungsdiskurse in Deutschland und Japan in den 1920er und früheren 30er Jahren unternommen werden. Hier werden die Amerikanismusdebatte und die Thematisierung von „Girls“ als Sinnbild der amerikanischen und auch amerikanisierten Kultur in den beiden Ländern skizziert. (In: Transkulturalität. Identitäten in neuem Licht. 2012 Iudicium Verlag München, S. 543-549.)

忘我・交通・形象
ヴァイマル共和国時代のドイツにおける群集論の展開

ようやく二冊の大著の翻訳が終わるので、ずっと放置していた博士論文の加筆修正および出版に向けた作業を始めようと思います。ここではひとまず論文目次(詳細版)を掲載してみます。論文の詳細な内容について、ご関心をお持ちの方はご連絡ください。

群集と〈交通〉
ヴァイマル共和国中期における群集論の変容

本論文は、20世紀前半のドイツ語圏において生み出された群集をめぐる思考の展開を考察する研究の一部です。ここでは、1920年代の中頃に形成された群集論の新たなパラダイムについて考察しています。
『表現文化』(大阪市立大学大学院文学研究科表現文化学教室) no. 2.、2007年に掲載。

ファスビンダー解禁!
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーDVD-BOX1

「ファスビンダー DVD-BOX1」の発売に合わせて書いたレビューです。ですので、このBOXに収録された3作品(『愛は死よりも冷酷』、『自由の代償』、『マリア・ブラウンの結婚』)を中心に論じてていますが、『四季を売る男』以降のメロドラマにも触れています。なお初出は2005年で、ここに掲載されるバージョンでは初出に若干の修正が加えられています。

Die “deutsche” Rationalisierungsbewegung und der “Amerikanismus”.
Zum Amerika-Diskurs der 20er Jahre in der Weimarer Republik.

Eine Untersuchung über den Amerikanisierungsdiskurs und den Umwandlungsprozess des Amerika-Bildes im Zusammenhang mit der Diskussion über die Rationalisierung der deutschen Wirtschaft in der Weimarer Republik . (In: Neue Beiträge zur Germanistik, Band 5, Heft 1, 2006, Indicium Verlag, München.)

テレポリスの五年間 / アルミーン・メドシュ+フローリアン・レツァー

ドイツのウェブ・マガジン『テレポリス』(Telepolis)の創刊5周年(2001年3月)を機に同誌に掲載された創設者によるテクストの翻訳です。インターネット普及の最初の5年間(1995-2000年)に起こった変容と5年目の現状の多面的な考察がなされています。boid に掲載された翻訳(2001年4月)の改訂版です。