コンテンツへスキップ

cinema

「天下」を降りた男
『黒牢城』の反-政治

目下、黒沢清監督は新たな黄金期の真只中にいる。そう感じているのは私だけではないだろう。この黄金期は『モダンラブ・東京』の第5話から始まった。『スパイの妻』も含めて2010年代の作品を思い返してみると、初見では面白いのに、見直してみると意外なほど退屈する作品が多かった(例外は『岸辺の旅』と『旅のおわり世界のはじまり』)。それに対して「彼を信じていた十三日間」以… Read More »「天下」を降りた男
『黒牢城』の反-政治

宇宙映画上映会 Vol. 4「量への抵抗」
対談採録 松村浩行監督 × 海老根剛

2024年12月22日に開催された松村浩行監督特集上映(宇宙映画上映会 Vol. 4 量への抵抗、京都大学西部構堂)で行われた対談の採録です。関係者の許可を得られましたのでウェブ公開します。「松村浩行監督 特集上映 講演録」(宇宙映画上映会発行)17-31頁を底本としていますが、私の発言のみ冗長だったところに若干手を入れています。

名古屋大学でレクチャーを行います

2026年6月5日に名古屋大学でレクチャーを行うことになりました。 「「現代」の舞台表現として人形浄瑠璃を考える」と題して、私たちにとっての人形浄瑠璃の同時代性について考えます。拙著『人形浄瑠璃の近代が始まったころ』の末尾に私は次のように書いています。 伝統に支えられた現代の芸術という観点のもと、人形浄瑠璃の活動の全体を注視し、そこに見いだされるであろう「新… Read More »名古屋大学でレクチャーを行います

【イベント開催】映画と人形浄瑠璃が出会う場所@出町座

来たる1月24日(土曜日)に出町座でブックイベントをすることになりました。拙著『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ 観客からのアプローチ』が第35回吉田秀和賞を受賞したのを記念して、人形浄瑠璃と映画の出会いについて私が考えていることをご紹介する機会を作っていただきました。 映画と人形浄瑠璃が出会う場所『人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ日時:2026年1月2… Read More »【イベント開催】映画と人形浄瑠璃が出会う場所@出町座

ディズニー・フォーマリズム(クリス・パラント)

授業で使用する教材として日本語に訳した文章を公開します。今回訳出したのは、クリス・パラント著『ディズニーを脱神話化する』の第3章「ディズニー・フォーマリズム」です。『白雪姫』、『ピノキオ』、『ダンボ』、『バンビ』の4作品で確立されたディズニー・アニメーションのスタイル(ハイパーリアリズム)の特徴が、「ディズニー・フォーマリズム」という概念のもと、具体的に論じ… Read More »ディズニー・フォーマリズム(クリス・パラント)

『ナミビアの砂漠』のフレーム

いくつか書いておきたいことがあったのに、諸々の雑事にかかずらっているうちに、あっという間に年度末になってしまった。すでに完全に時機を逸しているとはいえ、書かないままにしておくのも気持ちが悪いし、すぐに古びる作品でもないと思うので『ナミビアの砂漠』についてメモしておきたい。 私が最初に見た山中瑶子監督の作品は『あみこ』(2017年)だった。わりと退屈したのを覚… Read More »『ナミビアの砂漠』のフレーム

『KYロック!』の前田多美監督とトークしました

事後報告になってしまいましたが、新年早々1月4日に出町座で前田多美監督とお話ししました。『KYロック!』は、前作同様、広島の街を舞台にしたミュージシャンの物語ですが、加藤雅也さんや大塚寧々さんといった経験豊富なプロの俳優陣を迎え、前作とは異なる新たなチャレンジを行っています。前田監督が実践する自主映画の戦い方はもっと注目されていいと思います。

2024年版『蛇の道』雑感
黒沢作品の現在についてのメモ

先日の出町座でのトークでも少し話したけれど、黒沢清監督の近年の作品は、あからさまな「反復」の印のもとにある。蒼井優に始まり(『贖罪』第一話、2011年)蒼井優で終った(『スパイの妻』、2020年)10年間の黒沢作品が、一見、じつに多彩で自己反復を拒否するかにみえながら、ときに抑えがたい既視感を観客に抱かせるものだったのとは対照的に、『モダンラブ・東京 彼を信… Read More »2024年版『蛇の道』雑感
黒沢作品の現在についてのメモ

『CURE』から『Chime』&『Cloud クラウド』まで − 出町座でトークします

黒沢清監督作品(『CURE』、『Chime』、『Cloud クラウド』)が連続上映されるのに合わせて、出町座でトークを行うことになりました。まだ準備をしているところなのでどうなるかはわかりませんが、『モダンラブ・東京』とともに顕在化したようにみえる新たなサイクルの行方を注視すると同時に、一見、多彩に展開したようにみえる2010年代の黒沢作品についても再考する… Read More »『CURE』から『Chime』&『Cloud クラウド』まで − 出町座でトークします