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海老根 剛(Takeshi Ebine)

野生の映画/映画の野生

nobody 33号(2010年)のエリック・ロメール追悼特集に寄稿しました。「sauvageなもの」(野生なもの)という観点から、ロメール作品に潜在する〈飼いならされざるもの〉の力を考察しています。主に論じられているのは、『レネットとミラベルの四つの冒険』、『聖杯伝説』、『緑の光線』、『グレースと公爵』の4作品です。なお、ウェブ掲載にあたって本文に若干の修正を加えています。

2014年度 専門科目シラバス

表現文化学研究IV ●科目の主題今年度は、 一年間を通してナラトロジー(物語分析)の基本文献の講読を行う。物語は小説のような文学作品だけでなく、マンガ、ゲーム、映画、テレビドラマなどの視覚的表現においても重要な役割を果たしている。また、物語は人間がみずからの世界経験を理解する基本… 続きを読む »2014年度 専門科目シラバス

交通都市と欲望の迷宮
デーブリーン/ファスビンダーの〈アレクサンダー広場〉

1920年代末に始まったべルリン・アレクサンダー広場の改造計画の考察を出発点に、アルフレート・デーブリーンとライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが紡ぎ出した〈べルリン・アレクサンダー広場〉のイメージを、都市空間/文学/映画の横断的関係に注目しつつ考えてみました。ご一読いただけると光栄です。

〈貧しきひと〉に導かれて
『神の道化師、フランチェスコ』

いまだその驚くべき豊かさで私たちを圧倒してやまない映画作品『神の道化師、フランチェスコ』(ロベルト・ロッセリーニ監督、1950年)。その魅力を探る批評的エッセイです。 nobody #15(2004年) に掲載されました。ここに公開するバージョンでは、初出原稿に若干の加筆・訂正が加えられています。

『ドイツ反原発運動小史 原子力産業・核エネルギー・公共性』

このたびヨアヒム・ラートカウ著『ドイツ反原発運動小史 原子力産業・核エネルギー・公共性』がみすず書房から翻訳出版されました。『自然と権力』に続き、今回も私と森田直子さんとの共訳です。本書は昨年秋に『みすず』に掲載され話題になった論考「ドイツ反原発運動小史」を含む4つ論考とオリジナルのインタビューから構成されています。

世界を未完成する魔法のプリズム 
『5 Windows』(再編集版)の公開によせて

boid paper #11に寄稿したエッセイを公開します。boid paper 掲載時の文章に若干の加筆修正が加えられています。
『5 Windows』(瀬田なつき監督)の東京上映はすでに終了しましたが、関西ではこれから公開予定です。とても魅力的な作品ですので、公開の折りにはぜひご覧ください。

すれ違うふたつのメディア映像
−映画とヴィデオを再考する−

イヴォンヌ・シュピールマンの『ヴィデオ 再帰的メディアの美学』(三元社)の翻訳刊行に合わせて、2012年に立教大学ドイツ文学研究室の学術誌『Aspekt』に寄稿した論考です。ここでは近年のデジタル映像をめぐる議論におけるヴィデオ(ヴィデオアート)の欠落を指摘したうえで、映画とヴィデオにおける自己反省の形式の違いをゴダールとスタイナ・ヴァスルカの作品の比較を通して検討しています。

『自然と権力』について

このたびドイツの環境史家ヨアヒム・ラートカウの『自然と権力』をみすず書房から翻訳出版しました。ドイツ近代史家の森田直子さんとの共訳です。この日本語版では、ドイツ語初版(2000年)を底本にしつつ、英語版(2008年)でなされた主要な改訂も反映し、さらに日本の環境史を論じた一節と序言、あとがきを書き下ろしで収録しています。したがって、ほとんど改訂版に近い内容です。目次などの書籍情報はみすず書房のサイトをご覧ください。
本書を紹介する小文を以下に掲載します。ほぼ同じものが出版社のサイト(上記)にも掲載されています。